『物語戦略』
皆さん、『物語戦略』という言葉をお聞きになったことはありますか?
今の時代はビジネスモデルだけでなく、その企業ならではの“シンボリック・ストー
リー”(=物語戦略)が差別化・競争優位に貢献するとの説です。
私はまだ目を通してはいない本ですが・・・、日経BP社「物語戦略(内田和成監
修)」では、そうしたシンボリック・ストーリーによる「物語戦略」が、その企業の差
別化・競争優位を実現している多くの事例が紹介されているそうです。
例えば有名なものが、自動車メーカーであるボルボの「100万人の命を救ったエンジ
ニア」の話・・・現在では当たり前の様に使われている「3点式シートベルト」はボル
ボのエンジニアであるニルス・ボーリン氏が発明し、1959年に初めて搭載されまし
た。 ボルボ社としてはこの「3点式シートベルト」の特許で利益を上げることもできま
したが、同社はこの特許を無償公開し、どの自動車メーカーでもこの技術を使える様に
したのです。いまやボルボは「技術によって安全性をどこまでも追求する企業」として
の圧倒的なブランドを確立しています。
また最近の事例では「タニタの社員食堂」が挙げられます。
タニタは体重計を中心としたヘルスケアの優良企業として知られていますが、かつては
トースターやライター事業も手がける普通(?)のメーカーで、1983年ごろには赤字に
転落していました。
その後、同社は体重計事業に絞込み、同時に家庭用の体脂肪計を開発します。
タニタはデジタル体重計と家庭用の体脂肪計ではパイオニアですが、後発のライバル
メーカーとの価格競争に陥らないように、「社員を肥満にさせないタニタの社員食堂」
というシンボリック・ストーリーを作り上げました。 同社は「健康をはかる企業から、
健康をつくる企業へ」を標榜し、前述のシンボリック・ストーリーを核に、新たな事業
創造を行っています。
この様にシンボリック・ストーリーはビジネスモデルを強力に補完し、その会社の独自
性を際立たせる大きな効果があることがわかります。
さて、当社・ホクショー商事は、ボルボやタニタの様な大きな国際的企業ではありませ
ん。
加えてメーカーではなく、自社製品を持たない商社です。
しかし、この“シンボリック・ストーリー”の考え方を生み出していかないといけないと
思っています。
思いつくところを書いてみると・・・
・ホクショー商事さんにお願いすると、必要な時に必要なだけ適度な価格で、機械要素
部品を用意してくれる。
・ホクショー商事さんからの工場設備(工作機械)提案で、生産性が抜群に上がった。
と言ったところでしょうか?!
まだまだ、前述の企業さんに比べれば、田舎臭く、インパクトもなく、とてもシンボ
リック・ストーリーと言えるものではありませんね。
これから、真剣に考えていきたいと思います。
皆様の会社でも、こうしたシンボリック・ストーリーを考えられてはいかがでしょう
か。
ホクショー商事㈱
村田麿基