ホクショー商事 社長ブログ

ホクショー商事 社長ブログです。

複合機での儲け方

一か月ほど前、DMG森精機の展示会が同社伊賀工場で行われ、当社も地元のお客様をお誘いし、バス2台を連ねて見学に行かせて頂きました。

f:id:hokusho:20160712115708j:plain

その中で感じた事は、機械加工においても利益を上げるルールが明らかに変化してきている、ということです。

 今までの考え方としては、利益を上げるためには、いかに「工程分割」を行い、サイクルタイムを上げて1個あたりの生産性をいかに上げるかが鍵でした。また材料も、いかに削りしろを小さくして歩留まりを上げるかが要諦だったように感じます。

 しかし多品種小量が当たり前の今の時代は、いかに「工程集約」を行い、設備を『かけっぱなし』の状態にしておくか、が利益を上げる鍵になっています。
またバー材や丸材から四角いワークを削り出すなど、「材料の節約」を考えるよりも、ワンチャッキングによる「段取り時間の節約」を考えた方が利益は上がる、と今までと正反対の考え方になってきています。

f:id:hokusho:20160712120408j:plain
 繰り返しになりますが、私が興味を引かされたのは、昔は「材料」が大切なもので、この材料をいかに節約して使うかが大事なことでした。

しかし今は「材料」よりも「時間」が大事です。「材料」は多少ムダにしたとしても、それよりも「時間」を節約することができる加工方法の方が儲かるとの事でした。

これは口でいうのは簡単ですが、現場にとっては大きな考え方の転換が必要になります。
なにしろ、今までは「材料は大事に使え」「端材もムダにするな」と言われてきたのです。
ところが本当にコストダウンにつながる加工方法とは、いわば材料をムダにする加工方法と言う事になります。

複合機を導入したものの、思ったほどのコストダウン効果につながっていない、あるいは活用できていない、という声をよく聞きますが、この辺りが理由だと愚考いたします。

 確かに考えてみれば、10~20年続いたデフレで、モノの値段はドンドン下がってしまいました。
例えば、日本における鉄の生産量は年間1億トンです。
ところが、中国では年間8億トンもの鉄を生産しています。
しかもこのうち中国国内の需要はわずか1.5億トンで、それ以外の鉄は世界中にダンピングして輸出されている現実もあります。

 ところが、いかにデフレが進もうとも、時間の価値は変わりません。
それどころか人手不足の中で人件費は上昇している事を考えると、時間の価値はかなり向上しているとも考えられます。
f:id:hokusho:20160712120150j:plain

皆さんの会社はいかがでしょうか?

偉そうな事を宣いましたが、『商社の社長の戯言(たわごと)』と聞き流さずに、もう一度現場を見て頂ければ、考え方も儲かり方も変わってくるかも…ですよ。

 

 

 

ホクショー商事㈱

村田 麿基