『「意識」の疎通・徹底と、効率化』
今朝の新聞で、セブン&アイ・ホールディングスが、阪急阪神百貨店を傘下に置くエ
イチ・ツー・オー・リテイリングと業務資本提携することで合意、との記事が載ってい
ました。
セブン&アイ・ホールディングスからエイチ・ツー・オー・リテイリングへ、そごう・
西武が運営する関西地区の百貨店3店舗を引き継がせるのが主題の様です。
セブン&アイ・ホールディングスは、コンビニのセブン-イレブンはじめイトーヨーカ
ドー、そごう・西武の百貨店、デニーズ、セブン銀行などを傘下に置くホールディング
ス会社ですが、ホールディングスの前期の業績を見ると、グループ全体で約3500億円の
営業利益を上げています。
そして、そのうちの約3000億円はセブン-イレブンが稼いでいます。
実は、今年に入ってから、私は注目していた会社でした。
皆さんもご存じのように、今年初めに同グループでは後継者を巡り「内紛」が起こりま
した。
コンビニ事業を一から育てた鈴木敏文会長が結果的に解任され、セブン-イレブン事業を
切り盛りしていた井阪隆一氏が、ホールディングスの社長という結果となりました。
セブン-イレブンは、現状約1万9千店舗を有する日本最大のコンビニチェーンです
が、1日1店舗当たりの売上げは、昨年度ついに70万円に達しました。 他のコンビニ
チェーンが50万円台をなかなか脱することができないのに比べて抜群の成績です。
各コンビニとも、戦略上はそれほど大きな違いを見いだせない中、セブン-イ レブンだ
けがダントツと言っていいほど業績がいいのは「徹底」の差だと考えられています。
同社では、長い間、毎週1回スーパーバイザー会議を東京の本社で行っており、そこ
で鈴木会長が1000回以上お話をされたそうです。
「○○の商品販売を強化する」などの「意味」だけを伝えるなら、メールなどが発達した
昨今、わざわざ膨大な費用と時間をかけて毎週何百人も集める必要はないでしょうが、
「意識」を伝えるには、やはり面と向かって話すことのほうが伝わりやすいと思いま
す。
先ほどお話ししたスーパーバイザー会議が2週間に一度になったとのことですが、鈴木
氏が退任した後、従来通りの「意識」の疎通、ひいては「徹底」ができ続けるのかに私
は注目していた次第です。
そんな中での、今回のニュースでした。
どうも…、従来通りの「意識」の疎通、ひいては「徹底」というよりも、効率化を進め
ているように感じられてなりません。
評論家の様な、ちょっと偉そうな文章を書いてしまいましたが、「意識」の疎通、ひい
ては「徹底」と、効率化…相対する事ではないかもしれませんが、当社の経営を進める
中でも、ぜひ、参考にさせて頂きたい事例です。
引き続き、注目をしていきたいと思っています。
ホクショー商事㈱
村田麿基