会社を長く存続させるポイント②
さて、そのユアサ商事さんなのですが・・・、
ユアサ商事さんは京都で創業し、その後、江戸に店を持ちました。
ところが炭を売っていても儲かりません。
そこで炭を買ってくれるお客さんである鍛冶屋に炭を渡し、その引き換えとして鍛冶屋がつくったハサミや農具といった金物をもらい、金物を売る様になったそうです。
現在で言うところの「サプライチェーンの統合」ということです。その結果、同社は発展を遂げました。
話を戻すと、差別化が難しく競争が激しい業界のセオリーは、お隣の 業界の商品を扱うこと(=サプライチェーンの統合)が大切です。こうした セオリーも、今も昔も変わらないのではないでしょうか。
思い返してみれば、当社(当グループ)も、昭和27年に、ベアリングとチェーンの取扱い(この2品目)だけで創業し、60数年たった現在、(会社の組織形態も変わったものの)扱い品目は数えられない位に増え、取引メーカー数で1000社を超える業容に変わっています。
毎日少しずつの変化でも、60年も経てば大きく変わるものです。
この先も、勢いを留めることなく、変えていかなければいけません。
江戸時代の炭屋が金物を扱い始めたのと同様に、現代の機械要素部品商社も
お隣のサプライチェーンの商材を扱わなければ、今後の生き残りは厳しいと思います。
それでは、隣のサプライチェーンの商材って何でしょう?
これについては、今後ライフワークとして考えていきたいと思っています。
よく、企業は三代目(=創業60年前後)で行き詰る、と言われますが、
これは三代目が放漫になるから、ということが唯一の理由ではありません。
どんな業界にも60年に1度は産業構造の変化が訪れます。その変化に対応できた企業は次の60年を乗り切ることができますが、対応できなかった企業は行き詰ることが理由だと愚考いたします。
当社も、その初60年を超え、ますます変化・変身していかなくては・・・
と思う今日この頃です。
ホクショー商事(株) 村田麿基