ホクショー商事 社長ブログ

ホクショー商事 社長ブログです。

『タクシー初乗り410円に思う』

 

 先日、石川県産業展館にて開催されました『MEX金沢2017』にご来場いただいた

お客様には深く感謝を申し上げます。お陰様で、3日間の開催期間で55,000人以上の

お客様がお見え下さり、当社ブースにも、たくさんのお客様にご来場いただきまし

た。

本当にありがとうございます。

 

只今、当社も、ご来場いただけたお客様に、お礼のご訪問と御引き合いの具現化に取

り組んでいる所です。

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当社の営業マンがお邪魔させて頂いた際には、ぜひ、展示会のご感想や貴社の課題を

お話しいただけることをお願い申し上げます。

 

 

 

 さて今回は、そんな展示会直後に東京に出張する機会がありましたので、その時の

事をご紹介したいと思います。

東京ではタクシーの初乗り運賃が、今年の1月末から410円になったそうです。

これまで約2キロ730円だったものを、最初の1キロまでを410円とし、その後237メー

トルごとに80円加算され、2キロでは従前の730円と同じになります。そこまでは値下

げとなりました。

一方、距離や時間待ちによる加算運賃も同時に変更したため、6.5キロ以上乗車する場

合は、値上げということになるそうです。

 

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私は、この運賃改定は問題があると思っています。もちろん、短い距離を乗る人に

は、とても良いことだと思いますが(実際に、私の乗ったタクシーの運転手さんも、雨

の日の短距離利用のお客さんは増えたと言っていましたが…)、一方、6.5キロ以上乗

る人たちには、値上げとなりました。

 

これにより、タクシー業界は短い距離を乗る人たちの利便性を高め、その層の顧客の

掘り起こしを行おうとしているように見えますが、見かけ上の値下げをしながら、実

質的には、長い距離を乗る優良客の犠牲の上に、新規客を獲得するという信じられな

いことを行った事になります。

 

長距離を乗る人も短い距離を乗ることもあるのだから問題ないと考える方もいらっ

しゃるかもしれませんが、多くの乗客は通常よく使う乗り方が決まっており、短距離

も長距離も利用するという人は少ないと思います。

私は、今回の表面上の値下げは実質的な値上げだと感じています。繰り返しになりま

すが、顧客の利便性を高めて、自社の収益性を上げるなら、2キロ以下の料金を値下

げすればいいだけの話です。  

 

    ではなぜ、このようなことが起こるのかと言えば、タクシー業界が既得権益を持

ち、それが規制で守られているからです。小泉政権のときにタクシー業界は大幅な規

制緩和が行われましたが、その後は、台数が徐々に削減され、結局は規制強化の方向

に進み、物価が上がらない中でも料金の上昇が行われました。本来の望ましい競争に

なっていないのです。そして、今回の実質値上げです。  

 

    しかし、本来行うべきは「ウーバー」などの開放です。アメリカに行けば、随所に

ウーバーの看板を掲げた車を見かけるとの事ですし、利用者がその都度評価を行うた

め、既存のタクシーよりも安全でサービスが良いという声をたくさん聞きます。

日本でも、規制緩和を行い、利用者の利便性を高めるべきではないでしょうか?!  

 

    もう死語と化した感のある「アベノミクス」ですが、その3本目の矢は「成長戦

略」だったはずです。その根幹は規制緩和だと首相は言っていましたが、見せかけの

改革ではなく、本当の意味での規制緩和を進めなければなりません。そうしなけれ

ば、バブル崩壊以降成長を止め、この先も高齢化と人口減少に苦しむ可能性の高いこ

の国の経済の活性化はないと思います。

 今回は、批判的な文章になってしまいましたが、この悪い流れが地方に広がる前

に、規制緩和を進めて頂きたいと思って書かせていただきました。また、それが景気

のさらなる拡大と持続に役立つことは間違いありませんので…。

 

 

 

 

ホクショー商事㈱

村 田 麿 基

『CEOとCOO』

 

 当社は、毎年7月20日が決算日となります。

そんな関係もあり、この時期は、来年度の体制や営業目標、それぞれの部門のテーマ作

りなどを考え始める時期になります。

そんな中で、組織建てについて考える機会がありましたので、ご紹介させていただきた

いと思っています。

 

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 それは、CEOとCOOの役割分担です。

皆さんもご存知の通り、CEO(Chief Executive Officer)は米国企業では、通常に置かれ

ている地位で、会社の意思決定の最高責任者です。

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COO(Chief Operating Officer)は社長としての日常業務全般を行うものです。通常の

業務段階での意思決定はCOOが行います。

 

 中小企業では社長さんの日常業務は結構多く、当社の場合だと、上記の通り、社員の

役割分担の決定から営業目標の策定、また銀行印を押すなどの業務がたくさんありま

す。

 私自身もこの度初めて知ったのですが、CEOもCOOも執行役員としての地位です。

社外役員と違って実務を行うからだそうです。

ちなみに、その他の執行役員にはCFO(Chief Financial Officer;最高財務責任 者)や

CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)やCTO(Chief Technology Office:

最高技術責任者)などもありますが、すべて執行役員なのです。  

 

 取締役と執行役員の違いはご存知の方も多いと思いますが、取締役は商法上の役員

で、株主の代理として取締役会で意思決定をするのですが、執行役員は商法上の役員で

はなく、業務について内部の人間として責任を持っている人たちです。

 

もちろん、取締役と執行役員を兼務することは多く、代表取締役CEOは、取締役 (代

表取締役)とCOOという執行役員の両方を行っているという事になります。

欧米では、CEOのみが取締役を兼務し、他の取締役会メンバーはすべて社外取締役とい

う企業も少なくありません。そのほうが、内部事情に配慮せず、株主の利害をそのまま

取締役会で主張しやすいということですが、日本ではなかなか難しいのも実情でしょ

う。

 

 当社の場合も、先代である代表取締役会長と私・代表取締役社長の二人で、CEOと

COOとして役割分担を行っているのが現状です。

実務については、私が代表取締役社長(COO)として実践しているのですが、この時期の

ような次期体制づくりでは70代の代表取締役会長(CEO)と相談しながら進めているのが

現状です。

やはり、中小企業の世代交代の時期には、このCEOとCOOの役割分担を上手く利用し

ながら、体制のバトンタッチを行うのがベターかと、改めて思った次第です。

 

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 さて、これから次期体制づくりと、当社の場合『MEX金沢』もあります。

忙しい時期にはなりますが、決算までもうひと踏ん張りしたいと思っています。

 

 

ホクショー商事㈱

村 田 麿 基

 

 

 

 

【お知らせ】

本文中にも書かせて頂きましたが、

『MEX金沢』が5/18(木)~20(土) 石川県産業展館にて開催されます。

3号館『ホクショー商事』のブースにてお待ち申し上げております。

ぜひ、お越しくださいませ。

 

 

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日本に居ながら海外進出を行う方法

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国内市場が縮小する中、大企業は勿論の事、中小企業においても海外進出に踏み切る会社が増えています。

しかし、私は、自ら海外に出て行くばかりが海外進出とは限らない!!と思っています。

例えば、人から聞いた話ですが…、

東京都八王子市のある鋳造加工業の工場では、社員29人のうち5分の1が外国人だそうです。5年前までは外国人は居なかったそうですが、外国人が増えるにつれて海外売上高が増え、現在では売上全体の7割を占めるまでになったそうです。

一時期はタイへの進出を検討しましたが、調査の結果、進出しても日本同様に厳しい価格競争があることが分かり、タイ進出は断念しました。
その代わり、日本の本社工場での外国人雇用を増やすことにしたとの事でした。

言い換えれば日本の職場をグローバル化することにより、海外進出を図ろうとしたのです。海外の大学のインターン生を始め、カメルーン(ご存知ですか?…アフリカ大陸中部にある国です)や中東地域の難民なども雇用しました。

その結果、社員だけで世界6カ国語に対応できることになり、自社ホームページも6カ国語の表記に変更する事が出来たそうです。

すると、こうした外国人社員の人脈を始め、自社ホームページなどからも海外の仕事が入ってくる様になり、米国からも大きな試作依頼が入ってくる様になりました。
赤字でやむなく受注していた国内の仕事を断ることが出来る様になり、数%だった経常利益率も15%に改善しました。

さらに、米国に現地法人をつくる予定との事です。

 

 

そう言えば、当社のお客様で、クレーンの製作・設置、並びに、乾燥装置のメーカーをしているお客様がいらっしゃいますが、フランス人の営業マンと技術(女性)がいる会社があります。

上記の鋳造加工業の工場さんの様な「ねらい」があるのかどうかは聞いたことはありませんが、同じような発想から来ているのかもしれませんね。

冒頭お話しした通り、自ら海外に出て行くばかりが海外進出とは限らない、やり方によっては国内にいながらグローバル化を図れるという、非常に興味深い事例だと思います。

当社でも、海外製品を扱っている関係上、前向きに考えていかなくてはならない課題だと考えさせられました。

 

 

ホクショー商事㈱

村 田 麿 基

『これから日本のものづくりが注力すべき分野』②

 

パート①では、長々と産業の歴史の話をさせて頂きました。

これは、私が「歴史好き」のセイもありますが、歴史に学ぶ姿勢が無ければ、将来の展

望も開けないと思っているからで、決して間違っていないものと自負している次第で

す。

 

さて、歴史を鑑みて愚考するに、これから日本のものづくりが注力すべき分野・・・私

は、ズバリ「重要部品」だと思っております。

 

例えば昨年、ドイツのKUKAというロボットメーカーが中国に身売りした様です。

KUKAはドイツNo1のロボットメーカーですから、一見するとドイツは重要産業を

手放した様にも見えます。

 

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しかし産業用ロボットというのは、精密減速機と、ACサーボモーターと、コントロー

ラーの3点セットがなければ生産することはできません。この3点セットはドイツと日

本のメーカーの寡占状態になっています。

 

精密減速機ですと、  

ハーモニックドライブ(日本)  

ナブテスコ(日本)  

・ヴィッテンシュタイン(ドイツ)

 

 

ACサーボモーターとコントローラーでしたら、  

シーメンス(ドイツ)  

・ハイデンハイン(ドイツ)  

ファナック  

安川電機  

三菱電機

 

ドイツとしてはセットメーカーをやっていても価格競争になってしまうので、セット

メーカーにとって必要不可欠な重要部品に絞込み、そこで国際競争力を高めようとして

いる様にも見えます。ドイツは「重要部品」に注力していると言えるのではないでしょ

うか。

 

日本も同様で、アイフォンの中に入っている電子部品のうち重要部品となる大半が村田

製作所、太陽誘電ローム、TDK、日本電産といった日本製です。

 

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また、最近良く見かけるようになったテスラモーター(アメリカ製電気自動車)も、核と

なるバッテリーはパナソニックと共同開発をしています。

 

そう考えると、日本としては、『高付加価値重要部品』と『製品・部品をつくるための

 

生産財』(工作機械や専用ライン)に注力していくことが、国際的分業の中で競争力を高

めていくことにつながると愚考いたします。

 

また「部品」「生産財」であれば、いかに関税をかけられても、また円高だったとして

も「完成品」ほどの影響は受けにくい特徴があります。

また、おまけとして、「部品」「生産財」はそもそも市場が小さくニッチですから、

「完成品」ほどのライバルはいません。

 

今後、コンセプト開発はアメリカ、生産は台湾・中国、部品と生産財はドイツと日本、

という構図が定着するのではないでしょうか。

そんな予想に立って、当社としても、「部品」「生産財」を作っているお客様に、北陸

地域だけといった地域を問わず、積極的にアタックしていきたいと思っています。

 

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ホクショー商事㈱

村田 麿基

 

 

『これから日本のものづくりが注力すべき分野』①

 

新たな産業は不況期に生まれる、といいますが、歴史を振り返ると大きなチャンスは大

きなピンチの中にあることがよくわかります。

 

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例えば60年前の1957年頃というの『なべ底不況』といわれる不況期でした。

その名の通り、これはしばらく回復しないだろうと思われていた大不況が2年くらいで

回復し、その後日本は高度経済成長に突入ていきます。

 

この時の日本の産業の立役者はコンビナートでした。

 

第二次世界大戦直後と言う事で、アメリカやイギリスなど、戦勝国は工場が破壊されて

おらず、工場は古い設備のままでした。

また当時の製鉄所は鉄鉱石や石炭の採掘される鉱山の近くにつくるのが普通で、アメリ

カやイギリスでは内陸部に製鉄所が建設されていたそうです。

 

ところが内陸部だとその他の必要な原料を輸送するのに鉄道を使わざるをえません。

鉄道だと10トン貨車でも3万トンの物資を運ぶのに3000両もの貨物列車が必要になります。

ところが日本は資源が無く、また戦争で工場が破壊されていたため製鉄所を海側に作る

ことが出来ました。

現在のコンビナートです。

 

船だと1隻で2~3万トンの物資を運ぶことが出来ます。

鉄道を使用するのと比べると劇的にコストが安くなります。

その結果、日本は世界中から船で原料を輸入し、そして完成した鉄を船で出荷すること

で、資源を持つアメリカやイギリスよりも高い生産性でモノづくりが出来たわけです。

こうした生産性の高さが日本を高度経済成長に導いたと、歴史として証明されていま

す。

 

まさにピンチはチャンスといえるでしょう。

 

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そして現在・・・、

東西冷戦が終結して中国などローコストな国が国際経済に加わってから、世界的な分業

体制が組みあがりました。

コンセプト開発がアメリカ、生産が台湾・中国という構図です。

 

例えば、かつて、キャノンはヒューレットパッカードのプリンターのOEM生産を受託

していた歴史が有る様に、かつては競合メーカーに生産を委託することが多かったわけ

ですが、これは長期的に見ると「敵に塩を送る」ことになりかねません。

 

そうした中、「我々は自社ブランド品はつくりませんから、守秘義務も守れるし将来の

敵にもなりませんよ」と、世界中でOEMの仕事を受託して成長したのが台湾のホンハ

イ(フォックスコン)であり、TSMCといったEMSです。

 

日本のメーカーは、戦後から現代にかけて、受託する側→発注する側に回ったため、こ

の分野この手法での成長はもう考えられません。 では日本として、これからどんな分野

を伸ばすべきなのでしょうか。

 

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文章が長くなってしまったので、後半は第二弾にてお話ししたいと思います。

 

 

ホクショー商事㈱

村田 麿基

『相手に向き合う事』

 

    久しぶりブログになってしまいました。

当社も含む石川県の鉄工業界は、業種別の組合の数が多く、また、各地元メーカーさん

の共栄会なども数多くあるため、2月に入っても、まだ「新年会」が続いています。

こんな地域も珍しいのでは無いかと愚考しているところです。

 

 

そんな中で、ある会合にて話に出たことを書いていきたいと思っています。

 

 日本には、自分のことよりも他人を重んじ大切にする文化があり、自分のことはさ 

ておき、他人に尽くす人が多いような気がします。

これは良し悪しではなく、日本特有の風土なのかもしれません。

ぜひ、大切にしていきたい風土だと思っています。

 

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 ある会合の参加者さんも、部下のことを思い、上記のような取り組みをされていて、

私もそれは素晴らしいことだと思います。

しかし、時には見方を変えてみる必要もあるのではないでしょうか?

 

「はたして、本当に相手と向き合うことが出来ているのか?」

相手と向き合うことが出来る人は、その前提として、自分自身としっかりと向き合うこ

とが出来ている人ではないでしょうか。

自分自身の感情をコントロールするだけではなく、自分の感情に気付き、

寄り添うことが出来るからこそ、相手の感情にも気付くことが出来ると

言う訳です。

抽象的な表現で恐縮ですが、そんな事を感じた瞬間がありました。

 

 皆さんはいかがでしょうか?

私は、ドキッとした瞬間でもありました。

自分の感情を気にも留めず、相手と向き合っていないか? 先輩・上司だから、管理職だ

から、役員だから、社長だから・・・と無意識に思っていないか?

 

自分と向き合うことが出来るからこそ、相手とも向き合うことができるのではない

か・・・f:id:hokusho:20170209114947j:plain

 

自問自答する毎日は続きそうです。

なお、新年会もまだ続きます・・・

 

 

ホクショー商事㈱

村田 麿基

平成29年年始のご挨拶

 

 明けまして、おめでとうございます。

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新年を健勝に迎えられたことに、感謝申し上げたいと思います。

 

 昨年の後半は景気の踊り場状態の中、当社も苦戦を強いられましたが、今年初春から

は景気も上向きになる事が予想され、前年の不足分をカバー出来るものと期待している

所です。

 

 この様な景況の中、当社は『業態を付加する』…当社の『出来る事メニュー』を拡充

する事、をさらに力強く進めて行きたいと思っています。

  1. 小ロット部品加工 
  2. 図面なしの「同一部品」製作サービス 
  3. 工事付きの工場設備 
  4. 機械・設備のメンテナンス 
  5. 専用機・特注備品の受注 

 

いずれも、お客様であるユーザーさんの社長さんや担当者さんを、このような苦労の多

い仕事から解放して差し上げる事が、我々の役割だと考えています。

当社営業マンが貴社にご訪問した際には、是非、お気軽にお申し付けください。

 

 また、その苦労の多い仕事の一つに、調達業務があります。

現在ご好評を頂いているインターネット販売

『ホクショー商事 ヤフー機械要素店』も引き続き拡充していく所存です。

現在35品群3,000強のアイテム数にてご好評頂いておりますが、

お客様の欲しい商材を、欲しい分だけ、安い価格で、手間を掛けずに入手できるよう、

今年も商材の拡充に努めてまいります。

 

 改めまして、今年も『ホクショー商事 ヤフー機械要素店』をご利用・ご愛顧賜りま

す様お願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

ホクショー商事(株)

代表取締役社長 村田麿基